【絵本レビュー2】読まなきゃ損。読ませるための技術が詰まった絵本 みんなうんち 作 五味太郎
えほん作家のどっちゃんです。ブログを初めて日が浅いですが、絵本の感動を出来るだけ分かりやすく、作家志望ならではの切り口で絵本の紹介したいと思います。応援よろしくお願いします(◡ ω ◡)
さて いきなりですが、昨今は空前のうんちブームでうんこドリルを始め様々なうんち商品が出てます💩
お台場ではダイバーシティでうんこミュージアム TOKYO【公式】 を8月からオープンして大盛況みたいですね。うんこを汚いものとしてじゃなくユーモアにすることができるのは日本人ならではですね。(٥↼_↼))ウンウン
ってことで、うんこ大盛況なのでうんこ絵本の紹介をしたいと思います( ー`дー´)キッパリ
絵本の世界ではうんちはよくある題材でググると相当数のうんち絵本がでてきます(⑉⊙ȏ⊙)
その中でも...
今回紹介する絵本は、五味太郎さん作のみんなうんちです( ー`дー´)ドヤッ
著者 五味太郎(1945〜)
発売日 1981年2月
出版社 福音館書店
ページ 27P
【絵】
子供っぽさ ★★★★☆
描き込み ★★☆☆☆
構図 ★★★★★
色使い ★★★★☆
子供っぽさ...子供が描きそうな絵、真似できる絵
描き込み...描き込んでるか、緻密な絵、リアルな絵
構図...読ませる構図、文字と絵の見せ方
色使い...配色が良いか、色の使い方や色の量
【内容】
子供向け ★★★★★
大人向け ★★☆☆☆
文字の使い方★★★★★
メッセージ性★★★☆☆
子供向け...子供が読みやすい、楽しませるか
大人向け...大人が読みたくなる、読みごたえある
文字の使い方...文字のバランス、擬音の使い方、読ませる言葉使い
メッセージ性...教訓的、メッセージ的、意味深い
五味太郎さんはデザイン研究所を卒業後、工業デザインやエディトリアルデザイナー(出版物のデザイナー)を経て絵本作家になりました。
1973年 みちで絵本作家としてデビュー。現在までに400冊以上の絵本を手がけてます。
デザイナーの経験からか五味太郎さんの絵本は
読み手の視線を考えての言葉の選び方や配置、色の使い方がとにかく素晴らしいです(>0<;)ウヒョー
みんなうんちは読ませるための技術が詰まった絵本です。子供が読んで楽しめて、大人が読んでも楽しめます。特に絵本制作やデザイン、出版物に興味ある方は「読ませるためのレイアウトが知れるデザイン本」にもなるので一度は読んでみて下さい。
みんなうんちのいったいどこに読ませる技術があるのか、要点は以下の3点です。売れる絵本はわたしの解釈ですが以下の2点か3点は抑えてると思います。
- 対比と繰り返し
- 目線誘導とメリハリある配色
- 教訓やメッセージ性をユーモアに
1. 対比と繰り返し
うんちの対比が繰り返しでてきます。始まりのページでは
おおきいぞうは おおきいうんち
ちいさいねずみは ちいさいうんち
次のページでは
ひとこぶらくだは 〜うんち ふたこぶらくだは 〜うんち
と言葉が繰り返されます。
- 対比の繰り返しで次ページへのワクワクが生まれる
- 〜うんちと言葉の繰り返しでリズムができる
上記の2点で子供の興味を存分に引き出します。◕‿◕。*✴
例えば、対比と繰り返しが効果的に使われてるのが子供なら誰もが大好きなアンパンマンです。アンパンマンは顔がぬれて最弱になり、新しい顔がつくとアンパンチ一発でバイキンマンを倒せる最強に変わります。
顔が濡れれば最弱、新しい顔で最強
(さらにアンパンマンは腕力自慢、バイキンマンは発明家の対比も面白いですね)
最弱、最強この分かりやすい対比!!そして繰り返し毎回「やめるんだ!バイキンマン!」「きたなー! おじゃま虫!」と決り文句を言って...
顔が濡れる→新しい顔で勝つ→「ばいばいき〜ん」
とお決まりの繰り返し!!これが子供を惹きつけるポイントです。
2.目線誘導とメリハリある配色
みんなうんちは文字が一定ではありません。
例えば おおきいうんち ちいさいうんち のように文字の大きさを変えたり、配置に気を配ってます。下のあるページでは「おとなもうんち」〜「おむつでうんち」まで左上から右下に向かって斜めに↘文字が配置されてます。
人間の目は横文字なら左上から見る癖があります。よく雑誌のデザインも左上からZの字を書くように見せたいものをレイアウトするといいと言われてます。飲食店のメニューも必ず左上に売りたいおすすめの商品が乗ってます。
左上から右下に向かう...目線誘導をシンプルに忠実に表現されてるのが下の絵です。
このページを見て真っ先に目に入ってくるのが色です。メリハリある色、緑に対して赤(ピンク)、黄色に対して紫と反対色が使われてます。さらに大人が緑、赤ちゃんが赤(ピンク)と対比が分かりやすく使われてます。反対色はメリハリを生み、目立ちます。子供向けのアニメや玩具は原色系だったり色使いがハッキリしたものが多いです。それだけ子供は色に反応します。
3.教訓やメッセージ性をユーモアに
もし読み手(聞き手)が幼子でしたら上のページで見るように段階を経てトイレでうんちをするんだよ。という発育のための絵本になります。
もう少し大きくなると、例えば学校でうんちをするのが恥ずかしい小学生(当時はわたしも恥ずかしい。>﹏<。と思ってました...)に、うんちは恥ずかしくないもの。というメッセージを伝えられます。
生き物は、食べるからみんなうんちをするという生理現象も学べます。
教育的な哲学的な面を真面目に描いてもなかなか読みたいとは思えません。絵も交えてユーモアにすることで子供に伝わりやすい読みやすい絵本になります。
タイトルの「みんなうんち」が1番伝えたいことというのも絵本として素敵ですね。
以上の3点「1.対比と繰り返し 2.目線誘導とメリハリある配色 3.教訓やメッセージ性をユーモアに」読ませるために技術が詰まった子供〜大人まで楽しめる絵本です。
☆☆☆みんなうんち (かがくのとも傑作集) [ 五味太郎 ]☆☆☆
読まなきゃ損です(. ❛ ᴗ ❛.)/
ここまで読んでいただいてありがとうございました。今後のブログの参考のためにコメントなど頂けると幸いです。えほん作家のどっちゃんでした(◠‿◕)
ちなみにみんなうんちTシャツも売ってるみたいです(笑)1981年の作品なのにグッズがあるのはさすがですね(つ≧▽≦)つ
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五味太郎さんの主な絵本
- みち 1973年 福音館書店
- さる・るるる 1980年 絵本館
- みんなうんち 1981年 福音館書店
- きんぎょがにげた 1982年 福音館書店
- 言葉がいっぱい言葉図鑑全10巻 1993年 偕成社
- らくがき絵本 1990年 ブロンズ新社